先日、桂米二師匠の落語会が行われました。
2014年1月20日夜7時から
場所:千代田区内幸町ホール
そこでは「定年日和」という新作落語が演じられました。この「定年日和」には羊羹を食べるシーンがでてきます。
定年後、うだうだとしている夫が「お仏壇の羊羹を切ってくれ」という男のリクエストに、妻がとても薄いお茶を出します。
ここでは和菓子の老舗「とらや」の「夜の梅」という羊羹が登場します。
本エントリーでは、この羊羹についてとりあげます。
「とらや」のホームページには下記のような説明がありました。
「羊羹は鎌倉~室町時代に中国へ留学した禅僧が日本へ伝えた点心 (てんしん:食間にたべる小食) の一つ。本来、羊羹は「あつもの」の意で、羊肉の汁物を指したが、禅僧は肉食を禁じられたため、小豆や葛粉、小麦粉を用いて見立てたと考えられる。当時の羊羹は今の蒸羊羹に近かった。寒天の発見後 (万治年間1658~61)、寛政年間 (1789~1801) に、江戸で煉羊羹が工夫されて広まり、今日に至っている。」
http://www.toraya-group.co.jp/siteinformation/wor_index.html
なるほど、羊羹とは羊肉の汁物のことだったのですね!だから羊がつくんだ。羊羹はいわばジンギスカン料理の親戚ともいえます。やっと合点がいきました。
禅僧はお肉を食べるのが禁じられているため、お肉に見立てて羊羹がつくられたと。納得です。
私はこれをきいて「麩(ふ)」を思い出しました。羊羹と同じ和菓子の麩まんじゅうはもちもちとした食感は
まるでお肉のようです。麩は良質の植物性タンパク質のかたまりです。
こちらも肉食が禁じられていた禅僧にとっては重要な食材のひとつだったのでしょう。
「夜の梅」が食べたくなった・・・。
ところで落語に出てくる「夜の梅」はとらやを代表する商品のひとつです。
「夜の梅」の銘は、羊羹の切り口の小豆が、夜の闇にほの白く咲く梅を表すことから付けられたそうです。
羊羹の話を書いていたらなんだか羊羹が食べたくなってきましたね・・・。
厚く切った羊羹と濃くて熱いお茶を・・・。
〈とらや〉中形羊羹2本入C-2【RCP】 |