Appleは2014年9月9日、モバイル決済サービスである「Apple Pay」を発表しました。「Apple Pay」は19日に発売されるiPhone 6/ iPhone 6 Plus に搭載される機能です。
「Apple Pay」は、まず米国においてこの10月からサービスがスタートします。わが国においては「Apple Pay」は現段階においては使えるという情報はありません。順次世界展開していくものと考えられます。
米国とは商習慣が異なるため、「Apple Pay」は日本の消費者にとっては理解しづらい部分が多少あるのではないでしょうか。
日経ITPROで、とてもわかりやすい記事が掲載されていたので、ご紹介します。
Apple Payは日本で普及するか、モバイルNFC協議会に聞いた
お話をされるのは、モバイルNFC協議会事務局長でUi2 ビジネス・デベロップメント本部 本部長兼NFCビジネス部 部長の木下直樹さん。
木下さんはインタビュー冒頭、家族から「iPhone 6でおさいふケータイ使えないの?」といわれて、説明に苦慮したという柔らかいエピソードからお話をしてくれました。
原因は、わが国では「NFC」という言葉がFeliCaと同義語のように扱われていること。これらはイコールではないという基本的な認識を木下さんはまず紹介されました。
モバイルSuicaなどのFeliCaベースの「おサイフケータイ」サービスは、iPhone 6では使えません。 iPhone 6のNFC機能は現時点では「Apple Pay」にのみ対応します。将来Apple Pay以外に展開するかもしれませんが、未定です。
木下さんはNFC対応Android端末の例を取り上げ、おサイフケータイに対応させるため、FeliCaとTypeA/TypeBのデュアル構成になっている点を指摘。
またグーグルが、Android 4.4より採用した、セキュアエレメントの機能をクラウドなどで代替できるHost card emulation(HCE)機能を説明し、最新のNFCの状況をご紹介されました。
そしてiPhone 6のApple Payについては、「Appleが管理するTypeA/TypeB対応のセキュアエレメントが組み込まれるだろう。」と木下さんは予測しています。
そしてわが国においては、私たちにとって身近なコンビニをAppleは攻めるに違いないと木下さんは見ています。
「日本のコンビニなどに置かれている非接触カードリーダーの多くは、ハードウエアとしてはFeliCaだけでなく、TypeA/TypeBにも対応しているとみられる。TypeA/TypeB対応チップセットは安価なので、むしろ対応しない理由がない。あとは、Apple Payのアプリケーションを端末かサーバーに導入し、カード番号の代替となるワンタイムトークンを処理するサーバーを設置するなどすれば、Apple Payが使えるようになる。」
と木下さんは具体的に述べています。
専門家である木下さんのお話は具体的でわかりやすいです。Apple Payはいっけんアメリカのお話のようで、私たちの住む日本では無縁のサービスのように感じられました。しかしお話を伺って、Apple Payの未来が感じられて私はわくわくしてきましたよ!
「Apple Pay」は決済サービスですから、いますぐに日本に導入するなどということは難しいでしょう。仕組みの構築には相応の時間がかかります。
けれど、日本全国に無数にあるコンビニを例にとるならばハードウェアの面ではけっしてハードルが高くないことがわかりました。なにより日本においてはiPhoneは大変な人気を博しています。Apple Pay実現可能性は十分にありそうです。