リコーのデジカメが、日経ビジネスのアンケート調査で、アフターサービスランキング第1位を獲得したと報じられています(日経ビジネス8月5日号より)
このアンケート「アフターサービス満足度調査」は日経BPによるものです。2013年5ー6月、約1万7000人から有効回答数を得ました。
このランキングでは、デジカメ界の2強であるキヤノンとニコンを抑え、リコーとペンタックスがそれぞれ1位、2位を獲得しています。
日経ビジネスの記事ではリコーのアフターサービスについて次のように解説しています。
・リコーは満足度指数が昨年に比べて7.1ポイント向上した。
・即日修理が受けられる点が非常に便利であるとのユーザの声。
・リコーのコールセンターでは迅速に回答する仕組みにくわえ、ゆっくりと話したい顧客には時間をかける仕組みもあり、解決策を適切に提示している。
・さらに修理依頼があった際、修理箇所以外に露出、シャッター部分の清掃など、予防保全をするなど、丁寧できめ細やかな対応している。
私自身、リコー製品を使ってきて、リコーのアフターサービスには満足しています。以前使っていたGXRで不具合があったとき、銀座のサービスセンターに持っていき、即日修理をしてもらったことがあります。(また翌日修理になったこともあります。)
修理の費用はそれほどかからず、きちんと修理してくれ、さらに納期も短い、なおかつ修理してくれるおじさんの顔も見えるw ということもあり、私自身のリコーへの信頼感、あるいは親しみの度合いがかなりあがりました。
この「メーカーの顧客接点での満足度」こそが、ユーザの次の購買行動を左右するのだと思います。自分自身のケースですと、上記のような経験があったことは、リコーの新しいコンパクトデジタルカメラを予約して、発売日に即買いしたという自分の行動にたぶんに影響しています。
普通の人はデジカメを予約までしてほしいとは思わないかと思います。たぶんよっぽどのデジカメマニアぐらいですよね。私自身はマニアでもなんでもありませんが、リコーに対しては大変な好印象をもっているので、購入につながったと自分自身の行動を分析しています。
このようなサポートでのユーザ体験は、Apple製品についても同様のことがいえると思います。Apple製品に対する私の信頼感は、Apple製品それじたいのみによるのではないと考えています。それは、Apple Store銀座や渋谷のジーニアスカウンターで醸成されているというのが私の分析です。
Apple製品は、煎じつめれば、単なる工業品です。機械ですから当然ある程度の確率で不具合が発生します。ふだんトラブルなく動いてくれているときは意識しませんが、いったん不具合で止まってしまい自分自身の力ではトラブルを解決できないとき、だれかのサポートが欲しくなります。そんなとき「Apple Storeのジーニアスバーにもっていけば、とりあえずなんとかなるかも!」と思えるかどうかです。
自分の経験した不具合をまずはだれかに分かってほしい。そして解決の手段を一緒に考えてほしい。これはひっきょう人間の感情の問題だと思います。そして無事に、短時間のうちに問題解決に至ればユーザの好感度、メーカーへのロイヤリティがあがるにちがいありません。
だからメーカーにとってサポート部門は企業活動の生命線といってもいいでしょう。サポートでどれだけの満足度をユーザに与えることができるか。継続企業であれば、このことが重要なポイントです。
さてリコーの話にもどりますが、私がこれまで利用してきたリコー銀座カメラサービスセンターは銀座から板橋に移転してしまいました。
東京サービスセンターのご案内 / デジタルカメラ | リコー
新宿から電車で20分の浮間舟渡駅が最寄りです。別に板橋の悪口を言う訳ではありませんが、銀座に比べて板橋は利便性が落ちるかな・・・。がんばっていかなきゃ!と思わされます。たった20分ですが、心理的に遠い気がしますw 東京の第一等地にサポート窓口を構えるか。それとも埼玉との県境に設置するか。経営側の判断です。この点が、来年以降のアフターサービスランキングにどのように影響するのか、関心があります。