iPhoneの集中モードを使うべき理由 | 通知に支配される日々に終止符を

iPhone

はじめに

この記事では、iPhoneをはじめとするApple製品に搭載されている「集中モード(Focus)」について、特にまだ設定していない方に向けてご紹介します。

まず、自問してみてください。今日、あなたはiPhoneから何回通知を受け取りましたか? そして、何回、何分間iPhoneを操作していたでしょうか?

それがご自身の意思に基づく使用であれば問題ありません。大事な通知もあるからです。

しかし、もしも不要な通知によって思考が中断されたとか、気がつけばSNSやSafariを何十分も見ていたとか、であるならば、それは少しもったいない時間の使い方かもしれません。

このような「通知によるさまたげ」は、多くの人に共通する、現代的な課題とも言えましょう。

そして、AppleがiOS15から採用した「集中モード」を導入した背景にも、この問題への強い危機感があります。

集中モードは単なる便利機能ではありません

スマートフォンと切っても切り離せない現代において、静けさと選択の自由を取り戻すための「デジタル生活再設計のツール」なのです。

私に言わせれば、集中モードは義務です。絶対に設定して欲しいのです。

それほどまでに私は危機感を感じています。

iPhoneに支配されるのではなく、iPhoneを自分の意思で使いこなす。その第一歩として、この記事をお役立てください。

記事の最後には、簡単なステップバイステップでの説明をしております。一歩踏み出しやすいと思います。

ぜひ参考になさってください。


なぜ今、集中モードなのか?

私たちのiPhoneには、日々さまざまな通知が届きます。

電話、SNS、ニュース、ゲーム、広告、仕事の連絡、家族からのメッセージなどなど。これらすべてが、私たちの注意を奪おうと、躍起になっている状態です。

各アプリベンダー、サービスベンダーはどうにかしてユーザの関心を惹こうと必死です。

その結果、集中力が削がれ、不安感が増し、生産性や幸福感さえも低下しているのが私の見たところです。決して的外れではないと思います。

Appleはこうした問題に対処するため、2021年のiOS 15で「集中モード(Focus)」を導入しました。

Appleの哲学は明確です。「ユーザーの集中を守る」こと。それは、通知のON/OFFを超えた、「デジタル環境の最適化」への取り組みです。

単に「通知を切る」ということだけでは、もう対応しきれない時代の変化があります。かつての「おやすみモード」だけでは時代に見合わないのです。


集中モードとは?

iOSの集中モードは、特定の時間帯・場所・活動内容に応じて、通知を自動で制御する仕組みです。

例えばこんなことが可能になります。

  • 睡眠中は、緊急連絡以外すべての通知をミュートに
  • 仕事中は、業務連絡だけを許可してSNS通知は遮断
  • 車の運転中は、自動で運転モードに切り替わり、返信も自動化

通知だけでなく、ロック画面やホーム画面もモードごとにカスタマイズ可能です。

Apple Watch、iPad、Macとも連携して動作するため、複数のAppleデバイスを統一的に管理できます。

「いま自分が何に集中したいか?」を基準に、iPhoneの「振る舞い」を切り替えられる。それが集中モードの最大の特長です。


集中モードを使わないのは、時間を明け渡しているのと同じ

もし、今集中モードをお使いではないいとしたら、スマホの「通知」に生活を支配されている可能性がありますよ。貴重な時間が、他人からの「割り込み」に奪われているのです。

ですから、この記事にもう少しお付き合いください。

集中モードの設定は非常に簡単なんです。

iOSには「睡眠モード」や「仕事モード」などのテンプレートが用意されており、わずか1分で導入が可能です。

なお集中モードはカスタマイズが可能なのですが、それはキリがありません。まずはテンプレートから試してみることです。

ここで強調したいのは、「通知を制限=大事な連絡を逃す」ではないということ。集中モードでは、緊急連絡先や繰り返しの着信などを柔軟に許可できます。

気楽な気分で設定していただきたいのです。

iOS 18以降では一部機種で「さまたげ軽減」という機能強化も加わり、より簡単に導入・運用が可能になっています。

私がiPhone 16で試したところ、「さまたげ軽減」はかなり有効であることがわかりました。

対応機種をお使いの方は、ぜひとも「さまたげ軽減」だけでもいいので、お試しください。


「おやすみモード」と「睡眠モード」の違い

日本語環境で混乱しがちなのが、「おやすみモード」と「睡眠モード」の違いです。

  • おやすみモード(Do Not Disturb):時間帯を問わず、通知を一時的に遮断したいときに使います。
  • 睡眠モード(Sleep Focus):ヘルスケアアプリと連動し、就寝時間に特化して通知制御・画面暗転・睡眠記録などを自動化します。

「おやすみモード」は昔から iPhone にあるモードです。これは「集中モード」の導入によって、考え方を少し変えなければならない状況となりました。

私たちが普段から使うべきなのは、「睡眠モード」です。

この点を強調しておきたいと思います。「睡眠モード」はルーティン管理です。毎日の睡眠のルーティンの中で、不要な通知を排除するという趣旨です。これが大事。

「おやすみモード」は、何が何でも通知を切るのモードです。なんでもあり。すなわち「管理の放棄」ということでもあります。

私個人的には、「おやすみモード」はもうすでに使わなくていいかと思います。頻度は少ないです。

iOSには「フライトモード」もあります。これは、おやすみモードとは、似て非なる機能です。以下に両者の違いを整理します。

🔸 おやすみモード(Do Not Disturb)

通知や着信は受信するが、ユーザーに通知されないようにするモードです。 Wi-Fi・モバイル通信・Bluetoothは有効なままです。

🟠 フライトモード(Airplane Mode)

すべての通信機能を無効にするモード。航空機内での電波干渉防止が目的です。モバイル通信・Wi-Fi・Bluetooth・GPSを一時的に切断します。Apple Watchなどとの接続も途切れる(Bluetooth再ONで再接続可)。

飛行機搭乗時や、強制的に通信を遮断したいときに使います。


導入の第一歩:チェックリスト

ここで、まだ集中モードを設定していない方のためにステップバイステップでお伝えします。

✅ 設定アプリを開く
✅ 「集中モード」を選ぶ


✅ 「おやすみモード」があることを確認し、「睡眠モード」を追加する

睡眠モードはヘルスケアアプリと連動しています。普段の就寝時間をここに設定します。

以上で終了。

もし余裕があれば、下記を実行して、動作を確認します。

✅ 寝てる時に、通知を許可する「人」「アプリ」を1つずつ選んでみる
✅ 試しに30分だけ「睡眠モード」をONにしてみて、どういう通知が来るかを見てみる

なお繰り返しになりますが、対応機種をお持ちの方は、設定>「集中モード」をタップし、「さまたげ低減」モードを追加してみてください。



次回予告:集中モードを生活に溶け込ませる

この記事では、集中モードの基本的な目的と使い方の初歩をご紹介しました。

次回は、カスタムモードの作り方や、仕事・運動・読書・移動などのシーン別活用法をご紹介します。

集中モードが、私たちのために働く存在になる、その第一歩を一緒に踏み出しましょう。


最後に

iPhoneは便利なツールですが、あなたの人生の主役はあなた自身です。

大切な時間を守るために、そしてより意図的に生活するために。

ぜひ、今日から「集中モード」を取り入れてみてください。

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