Apple の iPhone 15・iPhone 15 Pro の特徴の一つはUSB-Cを備えたことです。
iPhone は長年 Lightning を採用していましたが、2023年のモデル iPhone 15シリーズより USB-C に切り替わりました。
USB-Cはすでに iPad で採用されておりますし、また Macでも随分前から使われています。
Androidのスマートフォンやタブレットでも現在販売されているものは、ほとんどがUSB-Cです。
私は iPhone 15 Proを購入しました。
「ついに iPhone に USB-Cが備わったか」と感慨を覚えたものです。
iPhone 15 のUSB-Cは Display Port Alternate を備えています。
Display Port Alternate があると、USB-Cから外部ディスプレイに出力が可能になります。
例えば、USB-C を備えたiPad Proでも同じように外部ディスプレイが可能です。
これまでの iPhone では、例えばLightning Digital AVアダプタを用いて外部ディスプレイに表示することが可能でした。
iPhone 15 Pro では、私は 27インチのパソコン用外部ディスプレイに、「USB-C – HDMI ケーブル」を用いて繋いでいます。
Lightning な iPhoneと同様のことが実現可能です。
目次
iPhoneの外部ディスプレイ表示機能の実例
iPhone を外部ディスプレイに繋ぐと、基本的にほぼ全ての状況でミラーリングが行われます。
iPhone で見えている画面がそのまんま大きく拡大表示されます。
ごく一部の例外は、Keynoteです。(他にもあるかもしれません。)
SafariでWebサイトを見ると、iPhone の解像度に合わせて、外部ディスプレイ上で縦長で表示されます。
▼Safari
iPhone 15 Pro のSafariは横向きに対応しています。iPhoneを横に傾けると横に広がります。
ただしこれはいわゆるPC表示ではありません。あくまで、モバイル画面での表示です。情報が断然足りません。
▼写真アプリも横に対応しています。
写真は、大きなディスプレイだと迫力があります。もちろん動画も見ることができます。
写真アプリのようなものは、外部ディスプレイと相性が大変良いということができます。
▼読書アプリ
画面が大きい方が読みやすいです。写真アプリ同様、こちらも字が大きくなって、大変有効です。
▼地図アプリ
iOS 純正のアプリであっても、必ずしも横画面表示に対応しているというわけではありません。
またサードパーティ製アプリの場合は、縦画面しかないものが多いという印象です。
外部ディスプレイがいまひとつ有効ではない例
ここからはiPhone を外部ディスプレイに繋いでも、あまり有効ではない例をご紹介します。
例えばメモアプリは横画面表示に対応しています。
ただし、外部ディスプレイでは余白が多く、あまり有効に活用できているとは言い難いのがわかります
▼カレンダーアプリ
こちらも iPhone のようなモバイルディスプレイでは見やすく感じるものの、外部ディスプレイ上は余白が多すぎて、大味な感じがあります。
▼ファイルアプリ
指で操作するならこれでもいいでしょうが、外部ディスプレイ上ではマウスを使いたくなります。
その時デザインがざっくりしすぎて、どうも使いづらいという気持ちが先立ちます。
▼計算機アプリ
あんまり意味はありませんね。
こちらで取り上げたApple純正アプリはどれも大型ディスプレイを利用できているとは言い難いです。
6インチ程度の小さなディスプレイの上であればいいのですが、27インチのディスプレイでは余白が多すぎるし、デザインは適していないと感じます。
iPhone 15 Proのミラーリング機能に不満があるわけ
私はこのiPhone 15 Proのミラーリング機能に少々不満があるのです。
なぜか。それはiPad Pro の外部ディスプレイ機能をすでに経験しているからです。
私は第3世代の iPad Pro を2021年から愛用しています。Thunderbolt/USB 4コネクタを搭載しており、上記 iPhone 15 Pro と同様、USB-Cケーブルで外部ディスプレイに繋がるのです。
iPadOS 16や17において、iPadはSidecar機能を利用することができます。
単なるミラーリングだけではなく、それぞれ独立したディスプレイとして使うことができます。
またiPad Pro は外部ディスプレイの解像度を変えることができます。外部ディスプレイはさまざまな大きさがありますが、それにあわせて変化できるのです。
iPadOS 16がリリースされた当時、私はこの機能に衝撃を受けました。まるでMacを外付けディスプレイに繋いだかのような体験がiPadで実現できるのです。
「Sidecar機能があれば、Macいらないじゃん・・・」
当初はそう思ったものです。
(しかし、そうはならなかったのですが、本筋と離れるのでここでやめます。)
iPad Proと同様に、iPhone 15 Pro にSidecar機能を持たせられないものか、独立したディスプレイを表示させてはダメなのか。
そのような素朴な期待を私は抱いてしまうのです。
またもう一つ理由としては、Samsungのスマートフォンに「DeXモード」、HUAWEIのスマートフォンに「PCモード」が搭載されていることも挙げたいと思います。
iPhoneにAndroidの真似をせよと言っているのではありません。
ただ、事実として他社スマートフォンは外部ディスプレイ機能をきっちりサポートしているという点を指摘したいのです。
Androidではなく、iPad Pro の良い点を iPhone に移植してはどうかと提案しているのです。
この考え方は、Appleがあまり好まないキメラ的なものです。
しかし、そもそも iOSとiPadOSは同胞です。
今年Appleは Vision Pro をリリースしました。CEOティム・クック氏は、この Vision Pro のもたらす空間コンピューティングを極めて重要なものと考えています。
数年後には、VisionはAppleの事業の根幹となるでしょう。その時までにiOS と iPadOS はあまり区別されなくなっていくのではないかという予感が私にはあります。
iOS と iPadOSは重複する機能が多く、分けた意味がどこまであるのだろうか。VisionOSが登場した今、その気持ちがより強くなっています。
言い換えますと、Mac事業、iPhone(iPad)事業、Vision事業の3つの柱になっていくのではないでしょうか。
最後に:iPhone 15の外部ディスプレイ表示機能について言いたいこと
以上、iPhone 15の外部ディスプレイ表示機能についてお伝えしました。
iPhone 15には USB-C 機能が搭載されました。しかし、外部ディスプレイ表示機能という点で見ると、本質的には何も変わっていません。
USB-C 機能にはいろいろなメリットがありますが、ただユーザとしてはメリットを享受できているかというと、あまりそうでもない気がします。Lightningの時とあまり変わっていないように私は思います。
iPhone 15を、Studio DisplayやPro Display XDRに繋いだ時、より生産性のあることができるようになったらもっと面白くなるんじゃないだろうか。
「ヘルスケア」アプリや「ジャーナル」アプリが大画面でも見やすくなったら・・・。そのような面白い展開を私はiPhoneに期待しています。