Appleが、今年2015年11月に「iPad Pro」を発売することを明らかにしました・
iPad Proは12.9インチの大型ディスプレイを搭載するタブレットデバイスです。iOSとしてはもっとも大きな面積を有します。64bit A9Xを搭載しており、通常のデスクトップ型パソコン並みの性能があるとのこと。
2015年秋、もっとも話題を呼ぶデジタルデバイスのひとつがこの iPad Pro です。私も大変関心があり、とくに生産性という点に着目しています。Appleがわざわざ製品名に「Pro」とつけたところに自信のほどを読み取ります。
目次
iPad Pro 用の純正周辺機器は仕事で使える
iPad Proには2つの純正の周辺機器が用意されています。まずひとつ目はApple Pencilです。Apple Pencilを用いれば、スケッチをしたりできるほか、メールやメモ、Microsoft Office 365 for iPadで使えます。iOS 9のSplit Viewを使えば二つのアプリを同時に立ち上げることができます。
もうひとつ目の機器は、Smart Keyboardです。Smart Keyboardはフルサイズのキーボードであり、iPad Proと物理的につながります。
これらApple PencilとSmart Keyboardは iPad Pro専用であり、他のiOSデバイスでは使えません。(iPhone 6s Plusでつかいたい、などという声がきこえてきますがw)
iPad Pro と Office 365 for iPad の親和性
私は今回のiPad Proに大きく注目しています。それはMicrosoft Office 365 for iPadの存在です。
iPhoneやiPad、Androidで無料で使えるWordやExcel、PowerPoint、Outlookをすでに楽しんでいるユーザも多いことでしょう。これらモバイル版Officeアプリが、PCのように複雑なレベルまではいかないものの、十分実用的で素晴らしいレベルで動作するげんざい、もっと多くのことをiOSデバイスで実現したいと考えているユーザが増えていると思います。
Microsoftの戦略はわかりやすいです。それはモバイルファースト、クラウドファーストの世界を実現するということ。私たちのOfficeデータはクラウド上におかれ、それらを利用するためにモバイルであれ、デスクトップであれ、デバイスがあると。先日発売されたWindows 10も単なるOSであるというよりも、クラウドサービスを提供するためのプラットフォームとして設計されています。
iPad Proの機能を高める「Smart Keyboard」
このiPad Pro で Office 365 を動かしたいと思ったとき、もっとも重要なのは外付けキーボードである「Smart Keyboard」です。
わたしたち普通のオフィスワーカーがパソコンを使うとき、キーボードが最良の入力デバイスであることは疑いの余地がありません。
スマートフォンでテキストメッセージを打つならばバーチャルキーボードでも良いのでしょうが、WordやExcelをバーチャルキーボードで操作するのは効率が悪いです。
「Smart Keyboard」は「1世紀以上の歴史を持つキーボードというツールを再び一から創造して生まれました」とAppleは述べていますから、その製品の質に期待ができます。
Smart Keyboardは5年前のiPad Keyboard Dockとは異なる
初代iPadが2010年に登場したとき、iPad Keyboard Dockが純正の周辺機器としてでてきました。ところが、iPadが2代目になったときには姿を消してしまいました。
iPad Keyboard Dockには優れたところがありました。それはキーボード自体にいくつかのショートカットキーが用意されていたことです。
ホーム画面・検索・暗くする・明るくする・写真を起動する・ソフトキーボードを表示する/消す・巻き戻す・一時停止/再生・早送り・無音・音を下げる・音をあげる・ロックする。
Smart Keyboardは5年前のiPad Keyboard Dockとは異なり、そのような独立したキーはいっさいなくなりました。
Smart Keyboardのショートカット機能
iPad Proでは、OSレベルでショートカットが備わっています。また各アプリケーションにはショートカットが表示される仕組みになっているようです。
これらのショートカットは、Smart Keyboardで非常に役立つはずです。Appleはさらに次の説明をしています。
キーボードショートカットを使って、iPad Pro上でさらに多くのコマンドを実行できます。アプリケーションの切り替えや検索機能の呼び出しも、Smart Keyboardで実行できます。アプリケーションに内蔵されたカスタムショートカットで、そのアプリケーションを操作することもできます。どのアプリケーションでも、Command、Option、Controlなどのキーを長押しするだけでショートカットを表示できます。
Smart Keyboard で快適に日本語が打てるようになるのか?
このSmart Keyboardは、iPad Proを生産性のために使おうと思ったら、必要不可欠な周辺機器です。ただいくつかの懸念があります。
私がいちばん懸念しているのは、たとえば候補リストが表示されたとき、スクリーンにタッチして選択しなければならないのではないかというもの。iPadはタッチデバイスですから、タッチするのは当たり前です。
しかし外付けキーボードをつかっているとき、できるだけホームポジションから手を動かしたくないです。iPad ProにSmart Keyboardを装着したとき、全ての動作をホームポジションで行うことができるのか。私はここは非常に気になっています。
もう一つの懸念点は、iPad Proで日本語が快適に打てるようになるのかということ。EscキーがSmart Keyboardにはありません。これが気になっています。
Escキーは、予測変換をキャンセルすることができます。このEscキーの役割については、下記の記事で述べました。
Smart KeyboardにEscキーがなくなって、本当に日本語が快適に打てるようになるのだろうか。率直に言って私はこの点が不安に思います。
なおiPad Pro用のSmart Keyboardは、日本市場においてはUSとおなじANSI配列が出荷されるそうです。
最後に:iPad Pro用のSmart Keyboardは本当に仕事に使えるのか
iPad Proは、Proと名付けられた製品です。これまでiPadは家庭向けに販売されてきたといえますが、職業をもつ人たちに向けての製品であるということからこれまで以上にiPad Proは厳しい目に晒されることになります。
iPad ProとSmart Keyboardで日本語が快適に打て、Officeニーズを満たしてくれるのか。それともSurfaceとキーボードがいいとなるのか。
iPad には優れたアプリがすでにたくさんあります。iPad ProとSmart Keyboardが11月にリリースされたら、入手して試したいと考えています。