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Apple Store前の場所取りの張り紙にみるiPhoneユーザの広がり

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Apple Store前の場所取りの張り紙にみるiPhoneユーザの広がり

来たる9月20日、iPhone 5s及びiPhone 5cが販売されます。Apple Storeは朝8時よりオープンし、購入希望者を出迎えます。

今回、業界の最大手NTTドコモがiPhone市場へ参入したことにより、とくにiPhone 5sは争奪戦の様相を呈しています。

すでにApple Store では行列ができています。下記は11日時点でのApple Store銀座前での写真です。

— テイラーYouTuber (@app_taylor) September 11, 2013

また私のTwitter Friend である らいち(@ra1ch89)さんもApple Store心斎橋前でがんばっています。

— モチモチらいち(ノ)・ω・(ヾ) (@ra1ch89) September 13, 2013  

10日も前からのiPhone 5sを求める行列ができているということで、すでにメディアにも取り上げられています。なかには批判まじりの報道をされることもあるようです。「たかがケイタイ電話ごときに行列に並ぶ? 仕事しろよ」とでもいいたげのようです。

私としてはこの行列の方々を応援したいと思います。10日も前から行列に並ぶ。面白いじゃないですか。好きで「バカ」やってるんですから、いいと思います。この人たちは「iPhone バカ」です。近隣に迷惑をかけず、良識の範囲でやっているのだから、許されると私は考えます。

私も2008年7月10日、ソフトバンク表参道の行列に、@fujiryu_ さん、@amanoyu さん、@bunzo78 さん、@sexykent さん、@kazuhito さん、@s_wool さんと並び、iPhone 3G の日本への上陸を徹夜で待ちました。このときもメディアの報道は似たようなものでした。

私自身JNNのテレビ取材を受け、オンエアされました。 「携帯電話の発売に1500人が並ぶ? 14時間並ぶ? ありえないでしょ。ガラケーでいいじゃん。キモい。」とでもいいたげな論調の報道だったので、私は大変残念な気持ちになりました。

改めて申し上げますが、らいち(@ra1ch89)さんはいわゆる転売屋などではありません。サイト「すまほん」のライターであり、システム開発担当者です。気骨のある方で、目立ちたいがためだけの人ではありませんから、ご批判はお控えいただけたらと思う次第であります。

さてApple Store銀座の行列に次のような張り紙が貼られていたそうです。 20130916gyo01

拡大すると次のようになります。

20130916gyo02

祝!! TOKYO オリンピック (^^) iPhone 5S@Apple GINZA 並んでいます>< 10番目です. 場所のキープおねがいします! 諸事情で場所を離れたり、 夜居ないですが、宜しくお願いします。 2013/9/11 PM7:00〜 by S.K Anita 」

この張り紙は、現在の「iPhoneブーム」を読み解く手がかりになるのではないかと私は感じました。

まず1つ目はこの S.K Anita なる人物は、いわゆる「Apple ファン」「Apple 信者」ではないということです。もしApple ファンだったならば、「iPhone 5s」と Sを小文字で必ず書くはずです。ぜったいに 5S とは表記しません。また、「Apple GINZA」とも書かないです。「Apple Store Ginza」と表記するはずです。

2つ目は「祝!!TOKYOオリンピック ^^」と書かれている点です。2020年東京でオリンピックが開催されることが決定したことを受けて、このことが張り紙に記載されているのですが、この事実を新しいiPhoneの発売とはなんら関係ありません。むりやり関係づけるとすると、マスメディアが大騒ぎするという点においてのみです。取ってつけた感があります。

3つ目はそもそも張り紙を貼るという行為自体です。たぶんiPhoneの行列で張り紙を張るというのは初めてのことだと思います。この張り紙を見て「おいおい、夜は並ばないつもりかよ。甘ったれんな」などと批判するのは簡単です。しかし私はこの S.K Anita なる人物さんの張り紙をみて、iPhoneのユーザ層の広がりを改めて思い知りました。ある人が次のようなツイートをしています。

— ArtSalt (@Art_Salt) September 15, 2013  

なるほど、サッカー観戦などでは「普通」のことなのですね。私としてはサッカーのカルチャーがデジタルデバイスのカルチャーに突如持ち込まれた気がして驚きました。私自身は公道に紙をガムテープで貼ってしまうというのには違和感を感じてしまいました。

かつてはいわゆる「Mac愛好者にしかウケない」といわれた iPhone ですが、いまでは国民的な人気を博している携帯電話とまでなったと言えます。iPhone は2年間の使用料金が20万円弱にもなりえる高額商品です。それを一人一人が持つという。こんなプロダクトはかつて存在しなかったのではないでしょうか。

S.K Anita さんを例として取り上げましたが、このようなiPhoneユーザ層の広がりはむしろ歓迎すべきことだと私は考えます。Apple製品でも Mac はどうしてもユーザ層を拡大できませんでした。しかしiPhone は、その発売をオリンピック開催やサッカー観戦と同じものであるかのように捉えている人を長い間列に並ばせるほどの魅力を備えています。もはや「maclalala 2」 の読者だけがiPhoneユーザではないということです。

大勢の人によりApple製品が楽しまれるというのは良いことです。従来のような Mac ファンは Apple に対してロイヤリティが大変高いと思いますが、iPhone をきっかけとして新しく獲得したファンはどうでしょうか。私はAppleに対して、新しくファンになったユーザの心をいつまでもつかんで離さないような製品、サービス作りをこれからも期待したいと考えます。

2015年10月21日
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