村上春樹さんの新作小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の発行部数が、わずか7日間で計100万部となったとそうです。
12日に発売されてから7日目。同社によると「文芸書としては最速の100万部達成」という。(略)予約が多かったことから発売前に増刷を重ね、発売時は50万部。初日にも異例の10万部増刷を決めたが、売り切れ店が続出。15日には80万部に達していた。今後は連日、書店に入荷し、大型連休明けには、今回の増刷分も行き渡るという。
村上春樹さん新作、発売7日で100万部-社会ニュース:nikkansports.com
出版不況と言われて久しいですが、村上春樹さんのような超人気作家は別格なのですね。
村上春樹さんは、たくさんの名作を残しています。村上作品をいくつか読みましたが、私が一番好きなのは「ダンス・ダンス・ダンス」です。読んだのはだいぶ昔のことだったけど、実に面白かったのを覚えています。
「ダンス・ダンス・ダンス」の冒頭、こんな描写があります。
「でもとにかく、何か喋ろう。自分について何か喋ることから全てが始まる。それがまず第一歩なのだ。正しいか正しくないかは、あとでまた判断すればいい。僕自身が判断してもいいし、別の誰かが判断してもいい。いずれにせよ、今は語るべき時なのだ。そして僕も語ることを覚えなくてはならない。(略)喋ろう。そうしないことには、何も始まらない。それもできるだけ長く。正しいか正しくないかはあとでまた考えればいい。」
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」(上巻、18ページ)
当サイト「オーケーマック」をご覧の方は、こちらの引用をお読みになって、どのような感想を抱くでしょうか。
「正しいか正しくないかは、あとでまた判断すればいい。」とはずいぶん大胆な意見です。私たちはたいていまずは正否を考えてからものごとを話すからです。
たとえば仕事の場で、正しいか正しくないか無視して、とりあえず言ってみるなどというひとがいたら、たぶんぶっとばされます。
このサイト「オーケーマック」のことを言えば、私自身、若干のためらいを感じながらも、勇気を出してAppleのことをブログを毎日書いています。
私自身はITのことを深く知りません。べつにコンピュータサイエンスの大学院を出たりした訳でもありません。
ただ一消費者として、Apple製品を触っていると、感動したり、納得したり、膝を打ちたくなったりします。だからついつい語りたくなってしまうんです。
自分にもっと知識があったら、もっとうまく論を展開できるのでしょうけど、これまでのプアな知識量については嘆いても仕方がありません。
でも自分がいまできる最低限のこと(事実誤認のようなことだけは避けるなど)をやって、Appleについて語りたい、しゃべりたい、そういう欲求があります。できるだけ正確な記述は心がけながら、個人の経験ベースの話であればブログで書けるかな、と思っています。
知識がなくてもAppleについて語るのはなんとなく許される。ないものはおいおい勉強していけばいい。そういう雰囲気がAppleコミュニティにはあるので、私の勇気となっています。トリが持っている脳みそぐらいしかない私でも・・・・。
だから村上さんのいうように、Appleについては「でもとにかく、何か喋ろう」という気持ちです。
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ただ私がひとつ気をつけていることがあります。それは記事でネガティブなことは書かないこと。正しいか正しくないかわからないけど、ネガティブなことはいわないようにしています。それがマイルール。
とある著名ブロガーのことばを引用しましょう。
ぼくには、ブログを書くにあたって特に重要な心がけとしている、4つのことがあります。「ネタフルメソッド」と呼んでいるのですが、その1つが、愚痴や批判、非難など「ネガティブなことは書かない」ということです。
気になるネタがあっても、ネガティブな内容になってしまう点には目をつぶったり(つまり、書かないでおいたり)、いい点を探してトータルではポジティブになるように書いたりします。古くからのブロガーには「ネガティブなことは書かない」をポリシーとして、公言している人が少なくありません。(略)
「仲間を得る」という目的から考えても、ネガティブな記事は問題があります。多くのネットユーザーは無用な争いを好みませんから、トラブルの多い人だと思われると、周囲から敬遠されるようになってしまいます。また、ネガティブな面の共感から仲間ができたとしても、そのような人とのつきあいは、なかなか難しいことが多いものです。
(コグレマサト、するぷ『必ず結果がでるブログ運営テクニック100』)43ページ
長い間ブログを書き続けてきたコグレマサトさんのポリシーです。ブログではネガティブなことをいう人は好まれないという指摘です。
コグレさんの意見に賛成です。私が初めてウェブでホームページを作ったのは1997年のこと。以来、ホームページを2、3つくり、ブログを3、4作ってきました。それから15年以上ウェブで情報発信をしてきましたが、その経験からもコグレさんのいうことは正しいと感じています。
なによりブログでネガティブなことをいっても、それが次につながらないことが多いです。ウェブでのネガティブなものが建設的なものに昇華するのをみたことがないです。たぶんそういうのはウェブとはそりがあわないような気がします。
コグレさんはブログについて取り上げていますが、Twitterも同様のことが当てはまります。チャットとは異なり、Twitterはパーマリンクが与えられたミニブログです。Twitterでもネガティブなことをいうひとは好まれません。
ブログにしても、Twitterにしても、発言したことは何らかの形で一生残ります。そしていったん発言したことは取り消すことができません。
だから、ブログ・Twitterでネガティブなことを言う人は、友達に疎まれてしまうと思います。
ネガティブなことをいいたくなったら? 無視しておけばいいのです。人生は短い。そんなに関わっている暇はありません。
正しいか正しくないかはあとでまた考えることにして、ネガティブなことはスルーする。それがブログやTwitterでの私なりの処世です。^^