iPhone が私たちの生活に浸透してすでに久しい昨今。iPhoneの便利さはいうまでもありません。iPhoneはいわばポケットの中のパソコンです。なんでもできます。
しかし便利であることは同時にセキュリティ上のリスクをもはらんでいるともいえます。
iPhoneはそのユーザ数を爆発的に拡大してきています。このことは悪意を持った人がますますiPhoneユーザをターゲットにするようになっているということでもあります。
近年、iPhoneを狙ったウィルス、iPhoneユーザの情報奪取、なりすまし、iPhoneの脆弱性の悪用などが発生しています。
高度情報化された私たちの社会において、iPhoneを楽しく便利に使いながら、同時に個人のかけがえのない情報を守ることはきわめて大切なことであります。
本エントリでは、iPhoneを安全に使うための3つのポイントについて述べます。具体的に何をすべきかについてもできる限り書きましたので、iPhoneを使って間もない方も、ベテランの方も、ご参考になれば幸いです。
ポイント1:iPhoneの盗難・紛失対策
iPhoneを購入したらまず行わなければならないこと。それは盗難や紛失に備えるということです。これを安全対策の一点目に挙げたいと思います。
iPhoneにはユーザの個人情報、写真・映像、アプリ、音楽、アドレス帳、ブックマーク、メモ、iCloud ドキュメントなど、大切な情報が満載です。
そこで、次のことを行っておくべきです。
1. パスコードによるロックを設定する。
これにより他人の不正利用を防止します。
2. iCloud を設定し「iPhoneを探す」機能をオンにする。
iCloudを利用すれば、iPhone が見当たらなくなったとき、位置情報を特定したり、音を鳴らしたりできます。さらにデータを消去したりもできます。(リモートワイプ)
一般 → 設定 → iCloud → iPhoneを探す をオンに。
いったんiPhone の設定をしておけば、あとはPCやiPadからicloud.com にアクセスすることにより、自分の iCloud アカウントにひもづけられたデバイスの位置情報を特定できます。
私のiPhone を地図上で見つけました。
大きなサウンドを再生して誰かに気づかせたり、紛失モードにしてメッセージを表示したり、他人に不正利用されるまえに、遠隔操作して、データを消去できます。
3. iCloud によるバックアップを確実に行う。
大切なデータ(カメラロール、アカウント、書類、設定)を自動的にバックアップしてくれます。またiCloud 以外にも、パソコンによるバックアップを選ぶことも可能です。
4. SIMカードのPINコードロックを行う。
不正利用を防止するために、SIMカードに4桁の暗証番号(PINコード)を設定し、ロックします。
日本国内で iPhone を販売する通信事業者による解説は下記の通りです。
ポイント2:iPhone のウィルス感染対策
iPhone の OS はつねに最新バージョンにすべきです。
iPhoneの最新OSバージョン「iOS 6」では、アプリケーションが個人情報にアクセスしようとするとき、ユーザに確認を求めてきます。
これにより、ユーザが意図しない、アプリケーションによる情報の「盗み」をチェックできます。
またアプリの初回起動後でも、設定>プライバシーからアプリごとにオン/オフを設定できます。
上の画面では、アプリ「Apple Store」に位置情報を利用を不許可としています。
※iPhone のウィルス対策については、テクニカルライター海上さんの解説がわかりやすいです。
【ハウツー】iPhoneに「ウイルス対策ソフト」は必要ないの? – いまさら聞けないiPhoneのなぜ | 携帯 | マイナビニュース
ポイント3:iPhone の情報漏洩対策
iPhoneにはたくさんの重要な情報が格納されています。これらが漏洩しないよう、対策を講じる必要があります。
第一に、重要な通信は安全な回線を使用するということ。不特定多数が利用するWi-Fiでは重要な通信を行わないことが必要です。通信内容が傍受される恐れがあります。
各キャリアが無線LANサービス(Softbank Wi-Fi、au Wi-Fi Spot)を提供していますが、重要な通信は控えた方が無難ですね。
第二に、SNSに個人情報を載せないことも大切なことです。SNSへの投稿は、一つ一つは断片的であっても、組み合わせれば個人の特定が簡単です。投稿する日時ひとつをとっても、ユーザ像が用意に浮かび上がります。インターネットは匿名社会ではけしてありません。
またユーザ自身ではなくとも、他人の個人情報を載せない、あるいは所属する組織(会社)の機密情報も載せないことが必要です。許可なく他人についてはいっさい述べない、会社での仕事についてはいっさい述べないという意識が必要です。
許可なく、他人が「いつ、どこどこにいた」とSNSに投稿したり、うっかり他人の顔写真を掲載してはいけません。そのような不注意が思わぬ事故につながり、自分自身に跳ね返ってきかねません。
またiPhoneにインストールするアプリにも注意する必要があります。
たとえばFacebook。「Facebookを利用していることを知り合いに知らせる。1人につき最高3件のお知らせメールが送信されます」にチェックを入れたまま、「友達を検索」すると、オンラインアドレス帳の連絡先に Facebookを利用している旨のお知らせメールが届きます。
ユーザが了解しているのならば問題がありませんが、慎重に判断した上でボタンを押すべきです。もしかしたらたまたまアドレス帳にあったひとに、意図せずメールが届く可能性があります。なかには知られたくない人の情報が偶然アドレス帳にあったというということもあるかもしれません。
またLINEも同じような機能があります。
したがってFacebook専用のiPhoneを用意する、Line専用のiPhoneを用意するといった対策をとり、アドレス帳を物理的に分けるという方法が望ましいと考えらます。
まとめ: iPhoneの安全対策
- パスコードロックを実施(盗難・紛失対策)
- iPhoneを探すを設定する。遠隔消去の機能を知る(紛失時のために)
- データのバックアップを設定する (iCloud やパソコンで)
- OS・アプリは常に最新版にアップデートする
- 重要な通信は安全な回線を使用する(無料Wi-Fiは使わない)
- SNSに個人情報を投稿しない(自分・他人・会社の情報を尊重する)
- Facebook・Lineを使用するときはそれぞれ別のiPhoneを用意する
私たちの生活になくてはならない大事なiPhone。セキュリティに十分配慮しながら、安全に楽しく使いたいものです。^^
本エントリはIPA「スマートフォンのセキュリティ <危険回避> 対策のしおり」を参考にしました。
※また、IPAによるマンガ「連載マンガ レイとランのスマホ事情 : I ♥ スマホ生活」も啓蒙的な内容ですので、初めてiPhoneを触る人にお勧めしたいです。