慶應義塾大学の特別招聘教授・夏野剛さんのiPhone 6に関する感想が話題を呼んでいます。
夏野剛さんは東洋経済の記事の中で、
「iPhone6 Plusの画面を見ると、まるで“老眼フォン”。(これまでのiPhoneで)見づらい人のために字が大きくなっているだけではないかと」
[via iPhone6、触って使って「超絶ガッカリ」 | 夏野剛のググっても絶対出ないハナシ | 東洋経済オンライン]
と、iPhone 6 Plusをバッサリ切り捨てています。
夏野さんは、Apple がAndroidでもできることをやっており、iPhone6やiPhone6 Plusには美学が感じられないとしています。たいへん手厳しい論評です。
目次
「iPhone 6は字が大きくなっているだけ」という夏野さんの指摘
「iPhone 6 Plusは字が大きくなっているだけ。シニア向け携帯電話じゃないか」という夏野さんの指摘は、半分正しいと私は考えます。
現在iPhone 6、iPhone 6 Plusで従来のサードパーティアプリを使用すると、スケーリングにより画面が大きくなって見えてしまいます。
例えばフェースブックアプリ。まだ高解像度に対応しておらず、あまりカッコ良くありません。スケーリングは字を大きくしただけです。
かつてiPadでユニバーサルに非対応なiPhone アプリを使用したとき、黒枠で覆われていたことがありましたけれど、あの惨憺たる状況よりかは、スケーリングははるかにましです。
けれど高解像度に非対応なアプリは、iPhone 6・iPhone 6 Plusのせっかくの利点を活かせているとはいえません。スケーリングはゲームならいいかもしれませんが、字の表示には向かないというのが私の意見です。
いまiPhone 6 Plusユーザがおかれている立場は不便です。消費者としては「単なるデカい画面」は不便なことなので、すぐに改善してほしいというのが正直な感想です。
これまでのアプリが高解像度iPhone用に最適化されつつある
しかし、状況は改善しつつあるように見えます。
iPhone 6/6 Plusが発表されて3週目の今週、ツイッタークライアント「Tweetbot 3」というビッグネームがiPhone 6 に最適化しました! ブログエディタの「するぷろ」「PressSync」もiPhone 6 Plusのランドスケープモードに対応しました!
ユーザとして本当にありがたいことです。
かつて自分が愛用してきたのアプリが高解像度で小気味よく動くようになるさまを見ると、今までとはぜんぜん異なる使用感がもたらされるため、大変うれしく感じます。
先の指摘にあるような、単なるデカい画面という印象が帳消しになるほどではないですが、しかしiPhone 6 Plusのメリットを活かして美しく描画されたアプリを使えるという経験は実にゆかいで楽しいです。
iPhone 6 Plusのアプリを入れ直したら、すごく使いやすくなった
高解像度に対応したアプリがだんだん増えてきたので、私はiPhone 6 Plusをクリーンインストールしなおしました。
対応済みアプリ24個をまずiPhoneにいれて、そのあとで未対応だけれども絶対持っておきたい既存のアプリ5つをいれました。
※画像をクリックすると大きくなります。
iPhone 6 Plusの導入を機に、思い切ってこれまで使っていたアプリをバサーっと整理したという次第です。そしたらグンと使い勝手がよくなりましたよ!
夏野さんの言う通りたしかに「ただデカい字のiPhone」は不便です。フェースブックアプリなんかもイマイチだから、やっぱりなんとかしてほしい。
けれども、「iPhone 6 Plusは老眼フォン」などと悪口を言うよりも、いま懸命に新型iPhoneの解像度に最適化させようと作業に取り組んでいるアプリ開発者の方たちを私は応援したいです。従来のiPhone 5、iPadに加えて、さらに解像度が増えました。きっと大変な作業量が増加したことであろうと想像します。ただ、「はやく対応しろ」とアプリ開発者にあまり無茶をいうのは筋違いであるように思われます。べつに追加料金を払ってアプリ開発者の方たちに作業してもらってるわけではないためです。
現段階においては、まだ少ないかもしれないけれど、既に対応済みアプリを使いたいと思います。どれも優れたアプリですよ。
そして、これから新しくリリースされるであろう最適化されたアプリを楽しみたいと思います。楽観的すぎる? たしかにそうかもしれない。でも悪口を言うよりも、そのほうが人生はずっと面白くなると私は考えます。
※iPhone 6及びiPhone 6 Plus対応済みアプリについては、こちらのエントリーが参考になります!