AppleのCEOだった故スティーブ・ジョブズ氏の家庭におけるデジタルデバイスの扱いが大きな話題を呼んでいます。
元記事はこちら Steve Jobs Was a Low-Tech Parent – NYTimes.com 「スティーブ・ジョブズはローテクな親だった」ニューヨークタイムズ.com
この記事の中でジャーナリストに「あなたのお子さんはiPadがお好きでしょうね?」と問われたジョブズ氏はつぎのように答えたそうです。
「こどもたちはiPadを持っていないよ。子どもたちが家にいるとき、テクノロジーを使うのを制限しているんだ」
あれだけ大ヒットしたiPadを自分の子ども達には使わせなかったジョブズ氏の子育て観に注目が集まっています。
目次
パーティでみた子どもとニンテンドー3DSとの接し方
家庭におけるデジタル機器について私も思うところがありますので、述べたいと思います。 先日、幼稚園に通うお友達のつながりで、パーティに招かれました。4家族が一堂に会したことで、子ども達は大はしゃぎ。 大人達は飲み食いしながら楽しいひとときを過ごしました。
ふと私は自分の子どもがニンテンドー3DSで遊んでいるのが目につきました。聞くと「妖怪ウォッチ」をやっているとのこと。 こどもたちはみな幼稚園児か園にまだ入っていないぐらいの年齢です。そんな低年齢なのにニンテンドー3DSをやっているなんてすごいな、と感じました。
というのも、私はニンテンドー3DSを自分の子どもに買い与えていないからです。 いま妖怪ウォッチがとてもはやっているので、うちの子はさぞゲームを楽しんだことだろうと思います。 いっぽうで「ニンテンドーDSが子守りみたいになっている。それでいいのだろうか」という気持ちもありました。
私の同期が示した家庭の方針〜No ニンテンドー3DS
先日、私の同期のA君と久しぶりに会って昼飯をともにしました。 A君は私が10数年前に入社したときの桜の同期です。 彼には小学校1年生の娘さんがいるとのことで、さきのパーティーにおけるニンテンドー3DSについて話を振ってみました。 A君はいいました。
「うちはニンテンドー3DSはやらせていないよ。買い与えてもいない」
「えっ、そうなの?」
「うん。我が家にとってはニンテンドー3DSは存在しないことになっている」
「へえ、「妖怪ウォッチ」がとても人気らしいから、きっとやりたいだろうね」
「うーん。そうだね。小学校でもその話題がでてるみたい。でもやらせたらきりがないから」
私の子どもがiPhoneやiPadが大好きなことを思い出し、話を振ってみました。
「A君はiPhoneをもっているでしょ。お子さんはiPhoneでYouTubeを観たいとか言わない?」
「言う!だからちょっとだけ渡すときがあるよ。何かを待っていたりするときは飽きちゃうみたいだから。そんなときね」
「うちなんて、iPad miniで YouTube のレオンチャンネルばかりみてるよ」 そういって私は肩をすくめました 。
私の同期のA君はエンジニアです。東大を卒業後、社会人としてシステムエンジニアのキャリアをスタート。 いまでは日経BPやatmarkitにインタビュー記事が載ったり、フェアで講演会をしたりするほどのばりばりのエンジニアです。
そんなA君は幼少時からゲーム制作に熱中。ゲーム開発は相当の腕です。 ディープなゲーマー・ゲーム開発者としての経歴をもつA君を知っているだけに、 「子どもにはニンテンドーDSは与えない。iPadもやらせない。iPhoneはぐずったときだけみせる」 という徹底した態度に私は驚かされるとともに、一方では「さもありなん」とも感じました。
ファミコンを2回捨てたられた私の悲しい幼少期
私自身も子どもの頃からずっとゲームが好きでした。とくにスーパーマリオは好きで、中毒のようにプレイしていました。 あるときのこと。小学校にいくとちゅう、ゴミの集積所にファミコンがおいてありました。うちのファミコンでした。あまりに熱中しまくるので、親が怒ってファミコンをゴミに出したのでした。
驚いてファミコンを拾って、家に持ち帰り玄関において、そのあと小学校に行きました。 放課後いちもくさんに帰宅し、ファミコンをテレビに設置しました。そしてスーパーマリオをずっとやる日々が続きました。
ある朝、またゴミの集積所に私のファミコンがあるのを発見しました。この日は雨がしとしと降っていたため、家にもってかえって電源を入れても、ファミコンはうんともすんといいませんでした。
すごく悲しかったです・・・。 今にして思うと小学生だった自分は自分をコントロールすることができなかったなと思います。
iPhone・iPadを使うのは1日に30分までだ
いま私は小さな男の子達の親となりました。
iPhone 3Gと私の生まれたての息子。まさにiPhoneネイティブ世代。 ニンテンドー3DSを子どもは欲しがっています。 しかし子どもの所有物としてゲーム機を与えることには抵抗を感じます。 ただiPhoneやiPadに全く触れさせないというのも変な話だと思っています。
一番いいのは時間を決めることです。触っていいのは1日30分まで。キッチンタイマーを使って計ります。 あとはパスコードロックを設定することです。個人のデバイスは与えません。 幼稚園児である子どもにはiPadやiPhone以外にももっと面白い遊びをしてほしいと思います。サッカーや自転車やかけっこをしてからだを動かしたり、バイオリンを楽しんでほしいです。
そしてiPadやiPhoneは、たまに遊ぼう。
豊かな精神世界の構築のためにできること
さて私の同期のA君の話に戻りたいと思います。 A君はシリコンバレーの会社に勤務しています。今年7月会社のキックオフミーティングがあり、本社のシリコンバレーに行きました。 会社での1週間のミーティングのあと、1週間休暇をとり、東京の妻と小1の娘を呼び寄せて、ウォルトディズニーワールドやユニバーサルスタジオであそびまくったそうです。 小1の娘さんにとって、きっとかけがえのない夏の思い出になったことと思います。
iPhoneやiPadでゲームをするのは楽しい。私も好きだ。でも、そればかりでは困ります。あくまで主役は私たち自身です。 大切な、かけがえのない幼少期を過ごすために、子ども達は外にでて、動物や昆虫、植物に触れたり、海や山で自然を感じたりすべきです。
私たちのこの世界は私たちが考えるよりもずっと大きい。子ども達が家の中では知ることができない異なる価値観、違った考えに触れること。 そのような刺激を受けながら、子どもの精神世界を豊かに育むことが大事なのではないかと私は考えています。