今年11月22日、AppleがSIMフリーiPhone 5s及びiPhone 5cを発売しました。青天の霹靂とはまさにこのことで、私はこの事態を、驚きを持って受け止めました。
我が国においてキャリアロックされたiPhone 3Gが発売されたのは2008年7月のことです。それから約5年ちょっとが経過して、ついにアンロック版のiPhoneが国内で正式発売されたことに感慨を覚えます。
先日Apple公式サイトで購入したSIMフリーiPhone 5s。ゴールド。NTTドコモのSIMを使用している。
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NTTドコモからのiPhone販売が引き金か
布石はありました。NTTドコモが今年、iPhone 5s及びiPhone 5cの販売を開始したことです。これにより日本国内3大キャリアがすべてiPhoneを取り扱うこととなりました。「ドコモのネットワークでiPhoneを使いたい」という根強いニーズはこれで解消されることとなり、SIMフリーiPhoneの意味が相対的に減少することとなりました。確たる理由といえるほどではありませんが、SIMフリーiPhoneの国内展開はNTTドコモからのiPhone販売が引き金になったのではないかと想像しています。すなわち9月の段階で既定路線であったと思っています。
SIMフリー版iPhoneの存在感は
SIMフリーiPhone 5sを私はすぐに発注して使っています。自分の試した範囲ではKDDIとドコモのSIMを刺してみましたところ使用可能でした。あたりまえなんですけどねw でも、このシンプルな事実に感動させられるのです。SIMフリーiPhone、いい!
しかしSIMフリー版iPhone 5s/5cは、販売量がすぐに多くなるということにはならないと思われます。なぜなら国内の携帯電話キャリアをSIMロック版iPhoneを「実質0円」などと謳って販売しているためです。
たほうSIMフリー版iPhoneは6万円から9万円します。
「SIMフリーiPhoneは高すぎる! ぜんぜん価格が異なるじゃないか! なぜ実質0円のものが6万円、7万円もするのか」
などと考える消費者が多く存在するからです。iPhoneを携帯電話ショップで買えばそのまま持ち帰れるのに、Apple公式サイトで買えば少なくとも6万円は費用が発生するというわけです。(もっともAppleローン金利0%を検討する消費者もいらっしゃるとは思います(12月25日までの間、Apple Online Storeで 28,800円以上(税込)ご購入の場合、Appleローンが実質年率0%でご利用頂けます。ローン会社はオリコです。)
だから、SIMフリー版iPhoneは「その価値がわかる人にはわかる」商品という位置づけであるのかもしれません。
au版 iPhone 5c。イエロー。もちろんauのSIMを使用している。
魅力的なAndoridスマートフォンNexus 5
いっぽう、SIMフリーiPhone 5s及びiPhone 5cに先立ち、11月1日(日本時間)、グーグルがNexus 5を発売しました。こちらはLG製の5インチクラスのスクリーンを備えた最新型Andoridスマートフォンです。液晶はフルHD(1920×1080ドット)で、画素密度は445 PPI。これはiPhoneのRetinaディスプレイを大きく上回ります。またCPUはSnapdragon 800を採用。2.26GHzで駆動します。メモリは2GB。最新のOSAndroid 4.4(KitKat)でサックサクに動作します。LTE回線につながり、快適そのもの。このNexus 5はやはりSIMフリーです。
上は私のNexus 5。ホワイト。MVNO事業者IIJの「IIJmio」を使用している。
Nexus 5はGoogle Playやイーモバイル社から購入することが可能です。Google Playであれば、ポチっとすれば3営業日ぐらいで海外から国際クロネコヤマトで届きます。イーモバイルであれば、ヨドバシカメラなど私たちになじみのある家電量販店で、購入前に実際に手にして試用することができます。
Nexus 5はドコモでもSBMでも使える
Google Playやイーモバイルから購入するNexus 5は型番「D821」です。GSM(850/900/1800/1900MHz)、WCDMA(Band:1/2/4/5/6/8)、4GLTE(Band:1/3/5/7/8/20)に対応しています。すなわち、ドコモやSoftBankのSIMは利用できますが、KDDIでは音声通話が不可です。(参考:Google Nexus 5 (LG-D820/LG-D821)の日本における対応周波数一覧 )
これまでにもSIMフリー機はあったが・・・
Nexus 5に先立ち、Nexus 4がありました。2012年の11月に発売されたこのAndoridスマートフォンもまたSIMフリーでしたが、日本では入手がやや面倒でした。またNexus 4の8GBモデルは価格が299USD(のちに199USDに値下げ)であったにもかかわらず、日本での販売価格(参考価格)は16GBモデルが49800円というちぐはぐな印象で、消費者からはネガティブに受け止められました。
また2010年には、IDEOSというSIMロックフリーAndroid端末が日本通信から販売されたこともありました。しかしこちらも「SIMロックフリー」以外の機能に魅力があまりなく、あまり話題に上りませんでした。魅力のない端末をSIMフリーにしたところで、依然として魅力のないままなのです。
2013年は、我が国における事実上のSIMフリー元年だ
2013年に発売された「SIMフリーiPhone 5s」「SIMフリー iPhone 5c」「Nexus 5」の3台のスマートフォンは、大いなる魅力を兼ね備えた携帯電話です。iPhone 5sーTouchIDを備えた、史上最強のiPhone。iPhone 5cーカラフルでより自分の好きな色を選べるiPhone。Nexus 5ー低価格ながらヌルヌルサクサク動くハイスペックAndroid。
上ですでに述べましたように、「SIMフリーiPhone 5s」「SIMフリー iPhone 5c」「Nexus 5」がBCNランキングを賑わせると言うことにはならないと思います。多くの消費者がこぞって求めるようなものではないと思います。けれど、これらの存在感は絶大です。携帯キャリアに対する影響はじわりじわりとでてくるでしょう。2013年、事実上の日本のSIMフリー時代の幕開けの年となったといってよいのではないでしょうか。私はiPhoneやNexusのような優れた携帯電話が我が国においてもSIMフリーとして簡単に手に入る時代になったことを本当にうれしく思います。
上の写真はSIMロックiPhone 5c、Nexus 5、SIMフリーiPhone 5s。素晴らしい3機種のスマートフォンを楽しむのが「オーケーマック」のオーケースタイルです。