TBSテレビの日曜劇場「半沢直樹」が大変な人気をよんでいます。視聴率が関東地区で29%を記録したそうです。
“10倍返し”完了!「半沢直樹」第1部完結編 視聴率29・0% 最高31・9% (デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース
さいきん、これほどの話題を呼んだテレビドラマはちょっと記憶にありません。「ドラマのTBS」、面目躍如といったところでしょうか。
私はこの原作「オレたちバブル入行組」を読んでいます。半沢が魅力的な人間で、そのリアルな描写が面白いです。
いまAmazonのランキングで第一位を獲得しています。(第二位は、続編「オレたち花のバブル組」)
さて先日、私の大学時代の友人と会食しました。もう20年近い付き合いです。同じ釜の飯を食った仲です。
大学卒業後、彼はとある都銀に入行しました。転勤していて、さいきん東京に戻ってきたので、久しぶりにあい、お互いの近況を報告し合ったという次第です。
彼の話を聞いて、銀行員として働くというのは改めてたいへんだとよくわかりました(笑)私は彼に聞いてみました。「で、テレビドラマの「半沢直樹」ってどうなの? あれってドラマだろ?」
「いや」彼は首を振って、述べました。「バンカーはあんなものだよ」
「たしかに「半沢直樹」はテレビのドラマだから大げさに作ってあるよ。けれどさ、だいたいにおいては正しい。おれも30代でさ、極端に採用が少ないころだったんだ。金融危機があったから、同期もけっこうやめたしね。いまでこそ採用を増やしていて女性の総合職も増えている。おれは半沢直樹みたいに、上からも下からもプレッシャーにおされてるよw」
「「半沢直樹」はよく描けたドラマだよ。仕事で筋を通そうとすると、いやはや、難しいんだよ。いろいろな。撃たれないようにしないとな」
撃たれるという表現が妙にリアルに響きました。
「銀行で上に上っていこうと思ったら本当に大変なんだ。自分で言うのもなんだけど、銀行に入行するのは結構名の知れた大学を出た連中ばかり。たとえば同期300名いたとしたら、東大が30人、京大が20人、一橋は7、8名。早稲田が50人、慶応が50人ぐらい。そんななかで出世できるのはわずか数名だよ。能力なんてそれほど大差ない。運と、コネなのだろう。人事も人間なのだから」
学生時代の入行前、金融についてまじめな議論がなされる職場なんだろうと考えていた彼は、いま、あまりそうではない環境で日々遅くまで働いています。いっけんチャラチャラしているように見えますが、実は根は真面目で繊細なところを持ち合わせていることを知っているので、あれこれ思い悩むこともあるんだろうと、彼のことばの端々から感じました。
彼とはうだうだと飲んでいて、0時頃別れました。
朝から深夜まで働く彼の姿から、テレビドラマはフィクションにはちがいないが、けっして絵空事ではないということがわかりました。友人とはいえ、言えること言えないことがあるでしょうから、理解のため、このテレビドラマ「半沢直樹」の原作であるオレたちバブル入行組」を読んでいます。銀行にはもしかしたら住宅ローンなどでお世話になることが今後あるかもしれませんが、この本を通じて、行員の立場を少しは理解できるようになるかもしれないと思っています。