WIREDの記事「あなたのパスワード、バレてます」は、ハックされたアメリカ人ライターによる、大変恐ろしい手記です。
このライターはマット・ホーナン氏。2012年、Twitter のアカウントをハックされてしまいました。それがきっかけとなって、Apple IDをハックし、iCloud のデータ(メール、書類、写真など)をすべて消去されたとのこと。
この記事ではパスワードがすでにふるい自体のシステムの異物であると指摘し、1. ありがちなパスワードは使ってはいけない 2. パスワードは使い回してはならない と警鐘をならしています。
この記事では、フィッシングやマルウェアなどの悪質な手法にも触れ、さらに暇を持て余している10代のハッカーの存在も指摘しています。
非常に生々しいトーンで記述されたこの記事は本国米国でも大反響を呼んだとのこと。ぜひ当サイトをご覧の方にもお勧めしたい記事です。
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上記で見たように、インターネットはすでに危険な状態です。それにも関わらず、クラウドコンピューティングの進展に伴い、私たちは大切なデータをクラウドに預けています。ますます発展するSNSにおいては、知らず知らずのうちにプライバシーを多く晒しています。ますますリスクが高まっているというのが私の認識ですが、けっして大げさではないと思います。
どのようにして私たちは大切な個人情報を守ったらいいのか。いまさらiCloudやらFacebook, twitter を止められません。DropboxやEvernoteを止められません。
私から2つ提案があります。
1つはアプリ「1password」を使うこと。これは iPhone用、Mac用、Windows用とあります。(「1Password for Mac」は4400円「1Password for iOS」は1600円です)これを使えば、複雑なパスワードを設定できて、なおかつ使い回しを防げます。パスワードの入力はアプリに任せることができるので、自らがパスワードを入力する必要はなくなります。
1passwordはひとたび設定してしまえば、iPhone-iPad-Mac の間で共有できます。Mac版はFirefox, Chromeにも対応しています。利便性とリスクは相反する関係にあるとおもいますが、1passwordはそのバランスが取れていると感じます。
もう1つはセキュリティに関するニュースに関心を払うこと。セキュリティもはやり廃りがあります。どんなことがトピックなのか、関心を持ち続けることで意識を高めることが大切だと思います。
「セキュリティ – ITmedia ニュース」や「Security & Trust : 企業ネットワークセキュリティのためのノウハウ&情報フォーラム – @IT」は定期的に眺めておく方がいいと思います。
マット・ホーナン氏の手記は、決して人ごとではないと思います。このハッキング事件は、私たち普通の人々にとっても起こりうる事象です。IDやパスワード流出はほとんど毎日のようにメディアに掲載されています。
いまスマートフォンが流行っていて、日本では最終的に7000万台まで普及するという予測もあるそうですが、iPhoneだのAndroidだの、ハードウェアが普及することだけに着目するのは私はおかしいことだと思います。スマートフォンはいわば手のひらのパソコンです。大事なデータ、かけがえのないデータがたくさん詰まっているのがスマートフォンですから、スマートフォン時代においては、セキュリティ対策、アイデンティティ対策など、ユーザの意識の向上がますます重要になってくると思います。
(リンク)
・1Password for Mac
・1Password for iOS