本記事では、MacBook Air 11インチからiPad Pro 11インチへ移行すべきかについて述べます。
目次
往年の名機MacBook Air 11インチ
Appleのノート型Mac「MacBook Air」は2008年1月にデビュー。Macworld 2008の基調講演の場でスティーブ・ジョブズCEO(当時)により華々しく紹介されました。
このMacBook Airは薄型軽量でパソコン業界に大きな影響を与えました。
MacBook Air初代機は当初13インチモデルのみでしたが、2010年には第2世代MacBook Airとして刷新され、さらに11.6インチのディスプレイを備えたMacBook Airも登場し、2モデル体制となりました。
この11インチMacBook Airがすこぶるよかったのです。我が国では多くのMacユーザが11インチMacBook Airをカフェに持っていきました。スタバでドヤ顔というやつです。
11インチMacBook Airと13インチMacBook Airを比較すると、より大きなディスプレイの13インチMacBook Airが使いやすいです。
しかしモバイルという観点で見ると、11インチMacBook Airは重量が1.06kgと軽量で、さらにコンパクトであるため、持ち運びには13インチMacBook Airよりも優れていました。
私も2011年の11インチMacBook AirをApple銀座で購入し、愛用しておりました。
この11インチMacBook Airは、メモリが4GBで、ストレージは128GBあります。
色々試行錯誤したけっか、OSはEl Capitanにて留めており、ブラウザはEl Capitanをサポートしている Google Chrome を使っています。
MacBook Air 11インチがディスコンになって6年が経過した
11インチMacBook Airは2010年の発売以来大変な人気を博しておりましたが、2016年に生産終了となりました。
Appleの最新macOS Montereyは、MacBook Airの Early 2015以降をサポートしております。言い換えますと、2014年以前のモデルは最新の macOS を楽しめない状況になっております。
セキュリティパッチは提供されてはいますが、最新の機能は試すことができません。
「MacBook Air 11インチは素晴らしいし、このまま使い続けたい。しかし、最新のOSを試したい気持ちもある」
このようなジレンマをMacBook Air 11インチユーザは抱えているのではないでしょうか。
私のように「Google Chromeさえ動けばいいや」と特定用途目的として割り切るのもありですが、一方でそれでも不便なこともあるのも事実です。
2021年iPad Pro 11インチモデルを購入した
MacBook Air 11インチ生産終了の理由についてはわかりませんが、おそらくほぼ同じ大きさのiPadの存在があるためではないでしょうか。
私は2021年9月、iPad Pro 11インチモデルを購入しました。目的は、MacBook Air 11インチのリプレースです。
このiPad Pro 11インチモデルはセルラーモデルで、ストレージが256GBのものです。
MacBook Air 11インチを購入してから10年が経過し、そろそろ替え時だろうと思いました。
「MacBook Air 13インチに行くか」とも思い、実際にM1 MacBook Airを購入しましたが、iPad Pro 12.9インチ(第2世代)を使っていたこともあり、iPadOSの良さに惹かれました。
そしてもっとiPadOSの良さを引き出してみたいという気持ちに駆られました。
「macOS でないと・・・」という思いがあったのも事実です。
しかし、モバイルシーンにおいて本当にmacOSでなければならないかを見極めたいとも思いました。
2008年のApp Storeオープンから14年が経ち、優れたモバイルアプリが豊富にあるこの環境で、それらモバイルアプリの良さをもっと利用できないかと。
2021年9月にiPad Pro 11インチを購入して6ヶ月が経過しました。ある程度の結論が出たので下記に詳しくお伝えいたします。
MacBook Air 11インチの後継としてiPad Pro 11インチを使ってみた
これまでMacBook Air 11インチを使ってきた私がiPad Pro 11インチにリプレースした感想を述べます。
Liquid Retinaディスプレイ
まず最初に気がつくのは、iPad Pro 11インチのディスプレイの美しさです。Liquid Retinaディスプレイが実に見やすいのです。
20Hzで描画される機能ProMotionテクノロジーが実に良い。
例えばWebブラウザである Safari を使っていて、小気味よく動くのです。
残念ながら、MacBook Air 11インチは購入から10年が経ち、だいぶ色が落ちてきました。またRetinaディスプレイでもありません。
人間とは贅沢なものとで、一度リッチな環境に慣れてしまうと、非Retinaを見るのはつらいです。私の会社のWindows PCですら見るのがつらいです。
老眼気味の私にとっては、iPad Pro 11インチのLiquid Retinaディスプレイが心地良く、ずっと手放したくないのです。
ディスプレイの品質は、iPadが最初のモデルからこだわってきたポイントです。
iPad Pro ではさらに優れた品質のディスプレイを備えています。
5Gでダウンロードとストリーミングが高速
私が購入したiPad Pro 11インチ(セルラーモデル)では5G モバイルデータ通信が使えます。
私の生活圏には5Gの電波が至る所で飛ぶようになっています。iPadが電波をガシガシ掴みます。
まだそれほど恩恵を受けているわけではありませんが、5Gはこれからの主流です。
一方で、MacBook Air 11インチを含め、Macはモバイルデータ通信に非対応です。
そろそろ対応した機種が出てもいいのではと思わされるのですが、しかしそのようなMacは一向に出てきません。
外出先でインターネットを利用しようと思うと、MacはWi-Fiやテザリングを使わなければならないです。
Wi-Fiやテザリングが悪いわけではありませんが、iPad Pro 11インチ(セルラーモデル)には劣ります。
キーボード(Magic Keyboard)
iPad Pro 11インチで、私は Magic Keyboard (US、ホワイト)を使っています。
これが実にいい。Magic Keyboardの打鍵時の跳ね返りが私好みです。
一方、MacBook Airも打鍵感は良好です。
少し前まで、Apple はバタフライキーボードを採用していましたが、MacBook Air 11インチはバタフライキーボードを採用しておりません。MacBook Airも打鍵感がかなり良好と言えます。
MacBook Air 11インチユーザがMagic Keyboard を使ったすると好印象を持つといえるでしょう。
一方で、11インチ用のMagic Keyboardのネガティブなポイントにも触れます。
MacBook Air 11インチのフルサイズキーボードと比較すると、11インチ用のMagic Keyboardの一部のキーは狭くなっています。12.9インチ用のMagic Keyboardはもっと広め、MacBookのフルサイズキーボード感があります。
また、Magic Keyboardにはファンクションキーやエスケープキーがありません。(なおエスケープキーに関しては、iPadOSの環境設定からキーバインドを一部変更可能となっております。)
Magic Keyabordで日本語を入力しているとき、ひらがなやカタカナの変換時に ctrl+h、ctrl+kを使えます。まるでMacの日本語入力(昔のことえり)と同じ操作体系です。多分、1つ前のiPadOSからそうなったと思いますが、iPadでもctrl+h、ctrl+kが使えるのが嬉しい。
またMagic Keyboardは地球儀マークがあります。絵文字入力時に役立ちます。
カーソル移動
iPadOSでは待望のマウス機能が搭載されました。これによりポインティングがマウスやトラックパッドで行えます。
ただ、カーソル機能については macOS の方が一日の長があると感じます。
iPadOSのカーソル機能はもっとMacライクにすべきと私は感じてます。
タッチとApple Pencil
iPad Pro 11インチは、当たり前ですがタッチ操作が可能です。これによりApple Pencilが使えます。
Magic Keyboardにトラックパッドがあるので、iPad Proの画面に触れることはあまりありませんが、タッチはやはり便利です。
iPadOSではカーソル機能がそれほど洗練されていないこととも関係していると思います。
iPhoneやスマートフォンのタッチ操作に慣れている、若い世代ほど、コンピュータの画面操作をタッチで行うのは自然な動作であると思われます。
面積
MacBook Air 11インチとiPad Pro 11インチのフットプリントを比べてみます。
いずれの商品にも名前には11インチとありますが、iPad Pro 11インチの方が一回り、二回り小さいです。
これはiPad Pro 11インチの良さと言えます。
このことは画面の比率が異なることを表しています。
周辺機器の豊富さ
iPad Proにはさまざまな周辺機器があります。
私が購入したのは次の3つ。
- Magic Keyboard (iPad用11インチ)
- Apple Pencil (第2世代)
- Smart Folio
iPad Proは、Magic Keyboardがあるとそれで周辺機器を購入すると終わりと思っていました。
しかし、Smart Folioが思いのほか便利でした。
Smart Folioがあると設置面積が小さくなります。何かコンテンツを消費したいとき、Smart Folioが役立ちます。
また、Magic Keyboardはやや重めなので、外出時にはSmart Folioで保護してやるのが良いと考えております。
一方、MacBook Airはこれ1つで完成されています。Pencilもいらないですし、カバーもいらないです。せいぜい持ち運び用のケースです。
出費が抑えられるのはいいですが、周辺機器を楽しみたい方には不向きかもしれません。
結論:MacBook Air 11インチユーザはiPad Pro 11インチに移行すべきだ
以上、MacBook Air 11インチとiPad Pro 11インチを比較して、考察しました。
私のようにMacBook Air 11インチを唯一無二のマシンとして大切に使い続けているユーザさんもいらっしゃることでしょう。そのまま使いつづけるという選択肢もあります。
ただ古くなったのも事実です。最新のM1を楽しみたいと思って、M1 MacBook Air 13インチにアップグレードする選択肢もあります。
しかし、私の意見ではモバイルデータ通信が可能なiPad Pro 11インチは、MacBook Air 11インチの真の後継ではないかと思うのです。
古くなったアップグレード先として、iPad Pro 11インチはベストです。AirPodsにもシームレスにつながります。
外出先でiPad Pro をSmart Folio とApple Pencilで利用し、帰宅したら Magic Keyboard を装着する。そんな使い方を私はお薦めしたいです。
唯一の懸念がOSです。MacBook AirとiPad Pro ではOSが異なります。もし動画編集ソフト Final Cut を使いたいのであればMacしか選べません。iPad Pro 11インチは対象外となります。
ただ、代替アプリを見つけることができれば話は別です。iPad Pro は大きな武器になってくれます。
また、これは不完全な解決方法ではありますが、 macOS が使いたくなったら、家に設置した別のMacにVNCで画面共有で入ればOKです。
とりわけモバイルシーンで性能を大いにはっきりするiPad Pro 11インチは、MacBook Air 11インチユーザにとって有力な移行先になると私は考えております。
小型なMacをお求めになりたい方は、発想を変えて、モバイルOSを搭載した iPad Pro 11インチに目を向けていただきたいと思います。